Ⅰ はじめに
平成28年12月に中央教育審議会から示された「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」では、将来、道徳的な選択や判断が求められる問題に対峙したときに、自分にも他者にとってもよりよい選択や判断ができるような資質・能力や、様々な場面、状況において、道徳的価値を実現するための問題状況を把握し、適切な行為を主体的に選択し、実践できるような資質・能力を育むことにつなげられる道徳科の学習が重要であると述べられている。
このような学習の実現には、生徒一人一人が道徳的な題材を自分のこととして捉えて向き合うだけでなく、自分の考えや立場をはっきりさせ、見通しをもって学習に参加したり、自己や他者との議論などを通して題材について多面的・多角的に考えたりすることが必要になる。また、そのような学習を通して個々が納得できる考えを導き、自分自身の考えが何によって深まったり変容したりしたかについて、生徒自身が捉えることが大切になる。こうした点から、上述の資質・能力の育成と本校の研究の重点が大きく関連すると考える。
そこで今年度は、昨年度の道徳科における「自律」と「共栄」に向かう学びに関する研究内容を基として、生徒自身が学びの過程に自ら着目し、「省察」を活用することで、将来にわたって他者と共によりよく生きるための基板となる道徳性の高まりにつなげたい。
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